異能者達の宴~夢の競演特別編~

哲平

異形者は、自らの死期が近い事を悟っているようだった。

だから命の灯が消える前に、何としても任務を遂行しようとする。

死に物狂いの特攻。

その攻撃は激しさを増し、俺達は回避する事が精一杯となる。

「これでは近づけん…!」

迫ってくる触手を切り払いながら乙女が言う。

四門も、風の刃で触手を断ち切る事に集中している。

反撃の余裕などない。

何とか…何とか異形者の動きを止めなければ。

と。

「おい、哲平」

異形者との間合いを取った紅が、槍を大きく振りかぶった。

「奴を足止めすればいいのだな?」

そう言って。








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