俺のボディガードは陰陽師。~第四幕・夜に抗う~
どういうつもりも何も。
実は…その気になってしまった。
キスしたい。
好きな子にそう言われたら。
そりゃ、するしかないじゃねえか。
「キスしたいって言ったのは、そっちだろ」
「いやいやいや…それは、死ぬ前に、これから死ぬならってことで、今は生きてるからもうええわ!」
「…でも、生きてるからこそするんじゃねえのか?死んだら感触も何もわからなくなるだろ」
「いやいやいやいや!そういう意味じゃ!いい思いをしながら幸せを味わったまま死んでいきたかった…って、何を言わせる!この勘違いお坊っちゃま!」
「勘違い?いやいや。少なくとも俺としてはそういう意味だ。生きてるからするんだ。する。しよう」
「横暴すぎやしね?!…はっ!ま、ま、待って!待って待って!」
顔を近付けると、なずなは距離を離してバッと退がる。
俺の何とも言えない強引な発言と行動に、あわあわと焦っているようだ。
「何だよ。そんなスケベ発言しといて、今更怖気ついてんのか?」
「…そっちが言わせたんだっつーの!横暴勘違い天然ドSとかムカつくんだけど!」
「………」
「…あぁっ!顔!顔近い!近付けるなぁぁ!…んあぁぁっ!」