背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
 その後は、スーパーに行って調味料や足りない食材の買い出しをした。それも、彼がちゃんと付き合ってくれた。


「今夜の飯、何にするんだ?」

 買い物カートの中を覗き込みながら彼が聞いてきた。


「鳥の照り焼きにしようかな? 残ってる野菜でスープも出来そうだし」


 棚に並ぶコンソメに手を伸ばして言った。何度も使うわけじゃないし、小さいものでいいだろう。
 すると彼の手が、私の手にした物のとなりの大きな箱を籠の中に入れた。


「そんなに沢山はいらないわよ。」

「そうか、又使うだろ。それにお買い得って書いてある」


「まあ、そうだけど……」


 スープ何回分だろうかなどと考えたが、籠に入ったコンソメをそのままにした。


「なあ、昨日のイカの焼い奴食べたいんだけど」


「今日も? イカもう無いわよ」


「別に、二日続けて食べたって毒じゃないだろ? イカは買えばいいよ」

「うん」

 まあ、イカ美味しいからいいけど……


「俺さ、ポテトサラダ好きなんだよね」


「ふーん」

 イカを選びながら言った。


「普通、こういう時は、作ってあげるね、とか言うんじゃねぇの」


「あー。残念。材料ないわ」


 私は、言葉とは逆に笑顔を向けた。


「じゃあ。買えばいいじゃん。きゅうりとハムの入ったやつな」


「そんなに色々買ったら、また、冷蔵庫がいっぱいになっちゃうじゃない」


「食えばいいだろ」


 いつの間にか、買い物籠はいっぱいになっていた。
 足りない調味料を買うだけだったのに……
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