背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
 この指輪は、二年前に貰ったものだ。勿論、特別な意味があるとは思うが、プロポーズされたわけでもないので、お互い一緒にはめている事で満足してしまった。

「そりゃ、一緒に居たいと思ったからだよ。勿論、結婚だって考えたさ。ただ、なんか、この生活に満足しちゃってさ。だからと言って、いい加減な気持ちで渡したなわけじゃないからな」

「分かっているわよ。私だって、このままでいいかなって、思ってたのも事実だから。でも、そうもいかないみたいね」

「まあな……」


「でも、また、ママ達の思うつぼなんじゃない? 別れろって言えば、結婚するって思ったのよ。腹立つわね」

「全くな。俺の立場ねぇじゃん。これじゃ、結婚したくても、プロポーズも様にならんよ」


 そう言ったかと思うと、彼の手がスッと伸びてきた。大きな手で、私を引き寄せると、チュッとキスをした。同時に、彼の手がふあっと、私の部屋着を脱がしてしまっていた。

「ちょっと、何するのよ!」

「決まってるだろ。今日は、親達のせいで疲れたんだよ」

「疲れたら、普通寝るでしょ。いやっ……」


「俺達、普通じゃないみたいだから、いいだろ?」

「きゃっ……」

 彼は、私の体を上から眺めた。


「綺麗だ…… 二年前を思い出すよな。あの時、あまりに綺麗過ぎてどうしようかと思った……」

 彼は、懐かしそうに笑みを向けたが、その後の、激しい事……

 あんなこと、こんなことをさせられ、ベッドの上に崩れ落ちた。


「ねえ…… 悠馬…… 別れましょう……」


「はぁ? 何言ってんだよ?」

 悠馬の、泣きそうに崩れたこの顔を、私は一生忘れないだろう。

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