背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
「ただいま」

 私は、久しぶりに実家の玄関のドアを開けた。ゴロゴロとスーツケースを引きずりながら……

「おかえりっていうか、どうしたのよ、その荷物!」

 ママが、目を大きく見開いて驚いた声を上げた。やっぱりね。戻ってくるなんて思っていなかったみたいだ。


「ママが、荷物纏めて戻って来いって言ったんじゃない」

「そ、そうね。」

 ママの不審そうな顔を確認すると、リビングのドアを開けた。


「ああ、疲れた。パパは?」

「お風呂よ。美月、ご飯は?」

「まだ。何かある?」

「パパの分と一緒に用意するわ」

「ありがとう」


 私は、冷蔵庫を開け、缶ビールを取り出した。そのまま、ソファーにゴロっと横になると、テレビのリモコンに手を伸ばした。

「はーっ」ママの大きなため息が聞こえた。


「悠馬さんは何て言っているの?」

 夕食が済み、ソファーでテレビを見て笑っている私にママが言った。


「別に、何も言っていなかったけど…… そう言えば、気を付けて帰れ、って言ってたわ」

「それだけ? 二年も一緒に居たのに、そんなものなの?」

「そんなもんじゃない」

「全く、どう言う神経しているんでしょう。挨拶もないなんて……」

 ブツブツ言いながら、ママはパパの居る寝室に向かった。また、ババに愚痴るのだろう。
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