背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
「ああ、康介さん」

「こちらが、今日のお見合いの彼女だね?」

 あなたは誰でしょうか?


「あーーーー。美月ちゃんね?」


 突然、康介さんと言う人の後ろにいた綺麗なお姉さんに手を握られた。


「あ、あの……」


 イマイチ何が起きているのか分からない。


「あ、私ね。悠麻の姉、こっちが旦那の康介よ」

 と、お姉さんが紹介してくれたと同時に、私は大声を上げてしまった。


「ああああっー 市川友梨佳!」


「いやだー バレちゃった?」
 
 お姉さんは、ぺろりと舌を出した。


「だ、だって」

 口が回らない。
 だって、彼女は人気ピアニスト。数年前に、テレビのバラエティー番組にゲスト出演していて、容赦ない突っ込みに笑いまくった。
 その時に大ファンになったのだ。


「あ、あの大ファンなんです! バラエティー番組に出た時に大好きになっちゃって!」


「まあ、なんて嬉しい言ってくれるの? 私の妹にしてあげるわ!」


 うわっーー嬉しいーーー


「はい!」

 私は、ピアニストの手をしっかり握った。



「おおおー もう、そんな話にまでなったか?」


 気が付けば、周りを両親達に囲まれていた。


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