背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
「ああ、康介さん」

 俺も声をかける。二人きりでいるよりマシな気がした。

「こちらが、今日のお見合いの彼女だね?」

 彼女に向かって、康介さんが挨拶をしようとすると。


「あーーーー。美月ちゃんね?」

 突然、姉ちゃんが飛び出して来た。
 一体どこに潜んでいたんだか……


「あ、あの……」

 さすがに、彼女も驚いて言葉を失っている。


「あ、私ね。悠麻の姉、こっちが旦那の康介よ」

 姉ちゃんが言った途端。
 益々厄介に空気を変えたのは彼女だった。


「ああああー 市川友梨佳!」


 彼女が悲鳴に近い声を上げた。


「いやだー バレちゃった?」

「だ、だって」


 彼女の目はキラキラ輝きだした。
 どうやら、ピアニストの姉ちゃんを知っているらしい……


「あ、あの大ファンなんです! バラエティー番組に出た時に大好きになっちゃって!」


 えっ? 
 ピアノが好きなんじゃないのかよ? 
 あの番組の毒舌に、俺達家族は青ざめ、二度とバラエティー番組には出るなと誓わせたのだ。

 あの、毒舌が気に入ったって? 
 この人、頭大丈夫か?


「まあ、なんて嬉しい言ってくれるの? 私の妹にしてあげるわ!」

 バカな事言ってんじゃねえと言うより早く、目をキラキラさせた彼女が声を発してしまった。


「はい!」

 返事なんかしてんじゃねえよ!


「おおおー もう、そんな話にまでなったか?」

 気が付けば、周りを両親達が囲んでいた。
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