背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
 部屋に取り残されは私と彼は、しばらく二人の消えたドアを茫然と見ていた。

 数分後、お互い顔を見合わせ、ハッと我に返った。

 そして、私はバッグからスマホを出し、ママの名前をタップした。
 彼も同時に、スマホを手にしている。


 プルルルル……
 何度かのコールで、やっと繋がった。

「ママ、どういう事よ!」

「あら、美月? あのね、ママ達これから、悠麻さんの御両親と、北海道に旅行する事になったのよ。二泊三日でね」

 そんな事が急に決まる訳ない? 全て計算されている。


「はあ? そんな事はどうでもいいわよ。私はどうなるのよ!」


「だから言ったじゃない。素敵なお部屋でしょ? あのね、あかちゃんが先でもママ達、大歓迎だから、安心してね。 あっ、飛行機の時間だわ、じゃあね……」


「な、何言ってんのよ……」


 ツーツーッ
 通話は切れた。

 向かいの彼の顔をチラリと見ると、何故か自分の顔がかあーっと熱くなるのが分かった。

 「おい、何言ってんだ!」


 スマホを手にしている彼が叫んだが、通話は切れてしまったようだ。
 チラりと私を見た彼の顔が、少し赤くなったのは気のせいだろうか?

 いや、そんな事より、この状況をなんとかしなくは……


 そうだ!

 私は、スマホの画面におじい様の名を出した。

 彼も、スマホをまたいじりだした。

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