背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
見合いの夜…… 美月
 見ていたバラエティー番組も終わり、ほっと一息つく。
 ああ、面白かった。

 さっきまで一緒になって笑っていた彼は、空き缶やつまみを片付け始めた。
 笑いのツボが一緒だった事は意外だ。
 私も片付けた方がいいかと体を起こした時には、テーブルの上は綺麗に整っていた。


 そろそろ寝たいが、何処で眠ればいいのだろうか? 
 どちらかが、ソファーで寝た方がいいのか?


 取り合えず洗面所に向かい、寝る準備をしてみる事にした。
 パジャマも無いし、このバスローブで寝るしかない。


 
 やっぱりベッドが気になり寝室をチラリと覗くと、気持ちよさそうな大きなベッドが構えていた。
 キョロキョロと辺りを見渡し、彼の居ない事を確認した。


 ドサッ!


 全身で思いっきりベッドの上へダイブ!


 最高!


 ふかふかのベッドの上に、真っ白なシーツ。
 気持ちいい~
 シーツに頬をすりすりした後、ベッドから降りると、ドアの前へと戻った。


 助走をつけて、もう一度思いっきりダイブ! 

 ベッドの上で、バタバタと足を動かし声に出したい興奮を抑えた。


 気持ち良さのあまり、ごろりと横向きになるとベッドの横に、二本の足が見えた。

 嫌な予感がして、そーっと顔を上に上げていった。
 そこには、呆れたような目をした彼の顔が私を見下ろしていた。


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