背中合わせからはじめましょう  ◇背中合わせの、その先に…… 更新◇
 ママのとの会話から、二日後……


 オフィスビルの八階は役員専用のフロワーであり、秘書課もエレベータ前の受付にある。
 私は、常務秘書を受け持つと同時に、秘書課全体の管理と部下達の教育を行っている。

 常務のスケジュール管理はもちろん、トラブルへの対応や部下達の抱える問題などに、忙しく飛び回っている。飛び回っていると言っても、秘書という立場上、品よく平常心を忘れてはいけない。

 この仕事について、もうすぐ八年になる。どんな事にも動じず、平然と対応が出来るようになったと思っていた。



 午後は、常務の来客予定があるため、役員フロワーの受付で待機する。
 さっきまで専務への無理な来客の対応に、専務秘書の子が泣きついてきて対応を終えたばかりだ。


 八階のエレベーターが開いた。
 時間からいって、常務の来客だろう……


 いつもの通りに、姿勢を正して頭を下げる。


「厚木常務と三時に約束しております、キザキの市川です。急遽、社長に変わりまして打ち合わせに参りました」



 「はい。伺っております。…… ウヒェーッ!」



 顔を上げた私は、腹の裏側から変な声が出てしまった。


 な、なんでこの男が?!!!
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