しかくかんけい!
「お、お疲れさまです……」
「あっ、お疲れハナちゃん」
……あれ?なんか怒ってなさそう。
部長はこっちこっち、と言って席に促す。
勝手に怒られると思っていた私は、あっけにとられ言われるがまま部長の前に座った。
そっと部長のほうを伺うといつも通りの表情で、ほっと気づかれないように胸をなでおろす。
「ごめんね、急に。実はちょっと、ハナちゃんにお話があってね」
「お話ですか?」
部長は机にあった用紙を、すっと私の前に差し出す。
「これ、ソロコンのことなんだけど」
「あ、合奏の前にお話されてた、」
「そう。ハナちゃん、出てみない?」
「はあ、 …………って、えぇ!?」
部長の言葉に耳を疑った。
さっきまでの演奏を聴いていたはずだよね…?
あ!もしかしてピアノ伴奏のほうかな。
「えっと、すみません部長。私ピアノ弾けないんですけど……」
「え?違うわよ、フルート部門で出場してみないって訊いてるの。フルート奏者として」
「へ……?」