しかくかんけい!
「わ、わかりました。出てみます!」
「よしっ、決まり!じゃあピアノ伴奏者も考えておいてね」
はい、と返事をして、部長から受け取ったソロコンの応募用紙を片手に準備室を出る。
先ほどまで廊下にいた部員はみんな帰ったみたい。
ピアノ伴奏だれにお願いしようかなぁなんて考えながら、愛莉のいる音楽室へ戻る。
音楽室へ着いたらもうすでに鍵が閉められていて焦ったけど、スマホを確認したら愛莉からメッセージが来ていた。
「あ、おかえりハナ」
「ただいまぁ、ごめんね、待たせちゃって」
もうすっかり外は暗くなっていて、部活生もほとんどいなかった。
くつ箱で履きなれたローファーに替え、玄関の前で待っている愛莉へと駆け寄る。
「カバンありがとう」
「いえいえ。あれ、それってもしかして」
私の左手にある、応募用紙の入ったクリアファイルを指す。
「あっ、うん。私、ソロコン出ることになっちゃった」
「えっそうなんだ。すごいねえ」
愛莉の綺麗な眉が、少しだけ上がった。