しかくかんけい!
次の時間は体育だしちょうどいいや、と思って細い笑みを返せば、それを見計らったかのようにチャイムが鳴った。
やや低いピッチはすぐに椅子を引く音やクラスメイトの声にかき消され、俺も席を立つ。
「今朝の騒ぎ見たよぉ〜」
と言い寄り俺の腕にねっとり絡みつく谷間女の胸。違った腕。
「びっくりだよね、ボタン取れそうだよ」
「ふふ、あの人ヤキモチ妬きなのねぇ」
なのねぇ、のところでボタンをつんと弾く。
「幼馴染を甘くみてはいけないんだってさ」
「でもぉ、あれちょっと過剰すぎぃ」
「んー、なんか変だよなー」
「そぉだねぇ」
そんな感じでいつもの空き教室へと続く廊下をゆるゆる歩いていると。
「しょーくんのバカーーっ!!!!」
どきん、と心臓が騒いだ。
「しょーくんの、ヘンタイ野郎っ!!」
反射的に歩みを止める。
タッタッタッ、と聞き覚えのある足音とともに背後から飛んできた叫び声。
振り返らずとも、それは今朝廊下で手を引いていた方の女子生徒だと認識する。