しかくかんけい!


「その……私、しょーくんのこと、きっ…きらいって言ったけど、あれは全部嘘なの!」

「……」


きらい?

キライ、嫌い、…………ああ。


『大の大のだーーーいっキライ!!』

『きっ、きらい!』

『きらい、だもんっ……』



思い返せば彼女は、嘘ばかりついていたね。

喜怒哀楽のあらゆる感情はもろ顔面へ浮き出ているのに、その口が吐き出すのは真逆な音。


「だから、もしそれで、イヤな気持ちにさせちゃったなら、ごめんなさい……っ」


その瞳はまっすぐ俺に向けられて。

わずかにゆらゆらと息をする潤いは、真剣そのものだった。


「……ぷっ」


本当にハナは、おもしろい。


「ぷははははっ」

「え?し、しょーくん!?」


困惑した声が聞こえるけれど、笑いは止まらない。



背中を反らして爆笑する俺に「大丈夫!?」と手を引く彼女。


「くくっ……そんなことで、こんなに真剣に謝ってくれるの?」

「そんなことって!キライって言われてうれしい人なんていないじゃんっ」

「俺はうれしいよ?」

「え!?」





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