しかくかんけい!



しょーくんの好きなタイプとか、好みの女優さんとかいろんな情報を人づてに聞いてくれて、私に教えてくれたり。

文化祭でこんなことするから会えるチャンスだよとか、球技大会であのチームになってたよとか言って、私をしょーくんに近づけてくれたり。


もしかしたらその中で、ファンたちは勘違いしたのかもしれない。

もしかしたらこのうわさの種は、知らないうちに私がまいてしまっていたのかもしれない。



後ろから明るいライトで照らされたと思ったら、軽自動車が私の横を通り過ぎる。


ぱしゃん、と音がして、雨が降っているのを思い出す。


傘をさし忘れていた私は、気がつけば全身ずぶ濡れになっていた。



冷たい雨がからだじゅうに沁みて、

沁みて、どんどん沁みて、


心がヒリヒリと凍えているようだった。



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