竜王陛下のもふもふお世話係~転生した平凡女子に溺愛フラグが立ちました~
 断ることなどできるはずもないので、ミレイナはその日の仕事終わりにジェラールの執務室へと向かう。
 いつかの夜に寒空の下で待ち伏せしていた皇宮区の入口にいた衛兵に名前を告げると、すんなりと通してもらえた。事前に話が通っていたのだろう。

「ミレイナです」

 ジェラールの執務室の入口に立ち、ドアをノックする。すぐに、「入れ」と低い声がした。

「お邪魔します」

 ミレイナはおずおずと執務室のドアを開ける。
 ミレイナに気付いたゴーランがすかさず尻尾を振りながら寄ってきた。ミレイナはゴーランの首周りををもしゃもしゃと撫でてから、ジェラールの元へと歩み寄る。
 ジェラールはソファーに座り、ゆったりと足を組みながら、ミレイナの様子を眺めていた。

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