センチメンタル・ジャーニー ~彼を忘れるための一人旅

1人だった プールサイドにも 人影が増えて。

私は タオルを肩にかけて プールを出る。


ほんの少し 泳いだだけなのに 空腹を感じて。

体は 心よりも 健康だなぁ…なんて。


部屋で シャワーを浴びて ラウンジに行くと

朝 一緒になった 白人の 老夫婦が 

静かに お茶を飲んでいた。


横を通る時 軽く 会釈をしたら

2人とも 笑顔を 見せてくれた。


冷えた体に 熱いコーヒーを オーダーして。

パンとフルーツを 選んでいると

さっきの 老婦人も フルーツを取っていた。


私が 微かに 笑いかけると

「1人?」と英語で 話し掛けられた。

「はい。」と答える私に 今度は

「仕事で?」と問いかけた。

「いいえ。休養です。」

そう答える私に 笑顔で頷いて。


たった これだけの 会話なのに。

フワッと 心が 温かくなる私。


やっぱり 少しは 人恋しくなっているのかな…






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