❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀

第四章-――新郎新婦-――

―――
―――あれから、菜緒は彼に抱き着くと、菊地智也にキスをされた。菊地智也は彼女の旦那でもあり、彼女は漸く、三角関係が修復された。菜緒は一緒にいる菊地さえいれば、幸せに感じられる。ボンボンショコラを作る事も出来なくなったというのに、パンを作る事も出来なくなったりしているが、菊地に抱きしめられただけで、幸せに風に吹かれて、満面の笑みを浮かべていた―――。菊地智也は彼女を好きで在り、菜緒も彼を選んでおり、二人は円満の夫婦に戻っていった―――。大好きな男性でもあり、菜緒はゆっくりと智也に顔を近づけた―――。それから、彼女と彼はゼロになった―――。菜緒は笑っていた。こんなに笑った菜緒の顔を見たのは、初めてでもある―――。
『―――御前・・・菜緒-――俺の事―――本当に好きなのか?―――俺もお前の事―――好きだ。だから、泣くなよ―――。御前は・・・笑っている顔の方が良いし、その笑顔を大事にしたい。』
彼女はゆっくりと頷くと、菜緒は頬を赤く染めた―――。大好きな男性を受け入れるのは楽しい。
嬉しいし、優しいし、安心する―――。菜緒はドレス姿を見せると、彼もタキシードを纏っていた―――。彼女はドレスを着た自分の姿に、思わず見惚れてしまった。純白のドレスを着ていた。
今、彼女は結婚式の最中であり、神父さんの前に来る前、自分の父親の腕を取り、バージンロードを歩いていた。彼女はドキドキしており、バージンロードを歩いており、父親も照れ臭そうに歩いていた。泣いているようにみえる―――。彼女の父親は羽田和弘といい、母親は玲子という。
玲子は協会の扉が開いた途端、彼女は泣いていた―――。今、彼女は結婚式でもあり、披露宴も午後にやる事になった。彼は―――菊地智也はタキシードを纏っており、菜緒は彼の隣に辿り着いた。―――御前・・・良く来た―――
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