やがて春が来るまでの、僕らの話。



「今日あたり根雪になるんじゃない?」

「まじかよー、積もんなくていいよー」

「そんなこと言ったってねぇ」


雪を見慣れている三人はゲンナリしているけど、私は胸の奥が疼く気持ちを抑えられなかった。

見慣れていないせいっていうのもあるんだろうけど、


でも、なんか……



「……すごい、キレイ」



沈みかけている太陽の光に重なって、白い雪がキラキラ光っている。

まるでたくさんの宝石が、空から降っているみたいで……


「そんなキレイかー?」


暖房の前から移動してきた柏木くんが、私の横から窓の外を覗き込む。


「でも確かに、今日のはなんかキレイかも」


陽菜も若瀬くんも、みんなが雪を見るために窓の傍に集まった。


「そうだ、積もったらみんなで雪だるま作ろうよ!」

「ちょっと陽菜さん、何歳だっけ?」

「じゃあかまくら!」

「あれ作るの結構体力いるんだって」


雪がキレイで、胸が高鳴る。

降りだした雪が、あまりにもキラキラと光っていて……


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