やがて春が来るまでの、僕らの話。



律くんには、ずっと生きててほしいのに。

俺なんかのために、人生無駄にしてほしくないのに。

なのにあの日の律くんは本気だったから。

きっと本気で、俺が死んだら一緒に死ぬつもりでいるから。


律くんを死なせないために、俺が生きられる方法を考えて考えて考えて。


どうしたら生きていけるのかを考えて……



考え抜いて頭に浮かんだのは、




ハナエだった……





「俺が死んだら、きっと律くんもまじで死ぬ…」

「、…」

「…律くんには、どんな人生でもちゃんと生きててほしいから」




どうしようもないこんな弟に巻き込まれて死ぬなんて、そんな悲惨な人生にしてほしくないから……



律くんを死なせないためには、もうこれしかない。




「ハナエ…」


「、」




もう、ほんとに、これしか……





「俺と、ずっと一緒にいて…」




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