やがて春が来るまでの、僕らの話。
息が切れたまま、向かったのは陽菜の家の裏。
陽菜はいつも部屋の窓の鍵を開けっ放しにしていた。
それは俺がいつでも、24時間いつでも部屋に忍び込めるようにって。
陽菜が不安定なときは俺が忍び込んで、傍にいてやるのが当たり前になっていたから。
だからこの日も、その窓を開けて陽菜の部屋に入ったんだ……
なのに、
そこにはもう、いつもの陽菜はいなかった……
自殺している陽菜を最初に見つけたのは、
高校一年生の、俺だった……
不在着信1件。
残された留守電には、たったの一言。
『バイバイ、ひで』