やがて春が来るまでの、僕らの話。
<柏木side>
ピンポーーン
「カッシー、お客さんきたよ」
リビングでくつろぐ杉内が、洗面所にいる俺へと叫ぶ。
「誰だよこんな時間に。つーかお前いつまでいんだよ」
「久々に泊まっていこうかなーって」
「風呂場で寝かすぞ」
「うひゃひゃ」
なにが楽しいのか爆笑している杉内を無視して、玄関に向かう。
俺たちの靴が並ぶ玄関で、故意に杉内の靴に足を乗せてドアを開けた。
ガチャ、
「ども」
立っていたのは、南波くんだ。
「次から次へと…。」
見えた男に頭がガクっと垂れ下がる。
「家、溜まり場じゃねんだけど」
「誰か来てんの?」
「杉内」
「お、そりゃ丁度いい」
なにも言わずにズカズカと上がりこむ南波くんを追うように、俺もリビングへと戻っていく。
「あ、南波くんじゃん」
「来てたんだ」
「うん、泊まってくの」
「帰れや」
「あれ、なんか人増えてる」
出来立てのシチューを持ってキッチンから戻ってきたハナエが、南波くんを見て苦笑い。
だからここ、溜まり場じゃねんだぞって。