小説世界に転生したのに、八年たってから気づきました
レオは心底困ったような顔をしている。
「怒るな、リンネ。別に悪気があって黙っていたわけじゃない。実際この魔法陣が描かれているからといって、日常生活に支障があるわけじゃないんだ。痛みはあるが、子供の頃と違って体力もついてるから、普通に耐えられるし、女性に触れられない以外の問題はないのだから」
「問題あるんだよ。この魔法陣、完成したら悪魔を呼び出すんだって。レオ、悪魔に殺されちゃうんだよ。赤黒くなっているのはレオの血を取り込んでいるからだって……」
私の発言に、レオもクロードもはっとしたように見つめる。
「リンネ、それをどこで誰から聞いたんだ?」
真顔で詰め寄られて、はっと気づいた。この話、言っちゃって良かったのかな。琉菜……じゃなくてローレンの許可も得てないのに……ああぁ、私、やっちゃったかぁ?
「え、え、えっと、王妃様?」
「下手すぎる嘘をつくな。母上にはお前と同じ程度の情報しか流していない。魔法陣を描いていることなど知らないはずだ」
やばい。誰も知らないはずの情報を私は口にしてしまったらしい。どうしよう。助けてローレン!
真っ青になって助けを捜す。すると、クロードと目が合った。助けを求めるつもりでアイコンタクトすると、クロードはにっこりとほほ笑んだ。
「レオ、そんな怖い顔をしたらリンネが怯えるよ」
レオの腕にクロードが手を乗せ、軽く引く。それで、レオは思ったよりも強くつかんでいたことに気づいて、力を緩めた。私は拘束する力が緩んで、張りつめていた息を吐きだせた。
が、安心したのはつかの間のことだ。
クロードは、レオをなだめた後、柔らかく微笑みながら私に諭すように言う。
「リンネ。君はこの魔法陣のことをどこで知った?」
クロードは穏やかな調子を崩さないまま、私から情報を引き出そうとする。やばい。クロードはレオより上手だ。なんとかして誤魔化せ、私。
「怒るな、リンネ。別に悪気があって黙っていたわけじゃない。実際この魔法陣が描かれているからといって、日常生活に支障があるわけじゃないんだ。痛みはあるが、子供の頃と違って体力もついてるから、普通に耐えられるし、女性に触れられない以外の問題はないのだから」
「問題あるんだよ。この魔法陣、完成したら悪魔を呼び出すんだって。レオ、悪魔に殺されちゃうんだよ。赤黒くなっているのはレオの血を取り込んでいるからだって……」
私の発言に、レオもクロードもはっとしたように見つめる。
「リンネ、それをどこで誰から聞いたんだ?」
真顔で詰め寄られて、はっと気づいた。この話、言っちゃって良かったのかな。琉菜……じゃなくてローレンの許可も得てないのに……ああぁ、私、やっちゃったかぁ?
「え、え、えっと、王妃様?」
「下手すぎる嘘をつくな。母上にはお前と同じ程度の情報しか流していない。魔法陣を描いていることなど知らないはずだ」
やばい。誰も知らないはずの情報を私は口にしてしまったらしい。どうしよう。助けてローレン!
真っ青になって助けを捜す。すると、クロードと目が合った。助けを求めるつもりでアイコンタクトすると、クロードはにっこりとほほ笑んだ。
「レオ、そんな怖い顔をしたらリンネが怯えるよ」
レオの腕にクロードが手を乗せ、軽く引く。それで、レオは思ったよりも強くつかんでいたことに気づいて、力を緩めた。私は拘束する力が緩んで、張りつめていた息を吐きだせた。
が、安心したのはつかの間のことだ。
クロードは、レオをなだめた後、柔らかく微笑みながら私に諭すように言う。
「リンネ。君はこの魔法陣のことをどこで知った?」
クロードは穏やかな調子を崩さないまま、私から情報を引き出そうとする。やばい。クロードはレオより上手だ。なんとかして誤魔化せ、私。