世界でただ一人のヒーラーは生殺与奪を握ってます。
「アリシア、私は今回、死の淵に立って一番に思ったのは自分の死よりもアリシア、お前の事だった。どうしてもアリシアに謝らないと死ねないと思った。あの日、私は何も知らず王城に呼ばれていた。あれは人質にされていたんであろう。それなのに私は王様に謁見できる喜びに浮かれてしまった・・・本当にすまなかった」
「エルザが謝る必要はありません。例えエルザが人質に取られていなくても結果は変わることはなかったでしょう。騎士爵の身分で王子様と結ばれる事はありませんし、あんな幼い恋心が本当の恋だったかどうかもわからないのです」
「そうか・・・あれからルル王子には会ったのか?確か今は王子の身分は剝奪されているのであろう。」
「はい、一度会いました。終戦直後に。そして告げました・・・私は貴方様も疑っていますと」
ルルを疑っていると聞いたエルザは驚きを隠せない。
「父を殺したのはルル王子様かもしれないと本当に思っているのか?」
「はい、あの日、本陣の場所が突然襲われました。それもエルザと私がいなくなってすぐに、まるで測ったように、誰かが手引きしたとしか思えません。それにウェルビン団長がそんな事で遅れをとるような事はあり得ません。何よりも後ろから刺された急所への一撃。私は王族すべてを疑っています」
反逆罪に問われても可笑しくない発言を臆面もなくエルザに告げた。
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