溺愛は蜜夜に始まる~御曹司と仮初め情欲婚~
それまでの固い口調が和らぎ、ふと見れば口元がほんの少し緩んでいる。

「……翔矢は医師を目指していて、K大の医学部を狙ってるようなんですけど。あの……?」
 
何故侑斗が翔矢を気にかけるのかわからず、梨乃は眉を寄せた。

「ああ、俺もS高出身なんだ。ちなみにK大の法学部卒業。なんだか懐かしくてつい。いろいろ聞いて悪かったな」
「S高出身って、やっぱり優秀なんですね。国内屈指の進学校だし、おまけにK大。日本の頭脳と言われる方たちが大勢卒業してますよね。すごい」
 
梨乃は感心するようにつぶやいた。
侑斗はいとこである社長の諒太とともに今後白石ホテルを率いていく御曹司。
ホテルの女性従業員だけでなく、関係会社や取引先の女性たちからの人気も高いと聞くが、見た目だけでなくやはり学歴も抜群だ。

「さすが白石一族……」
「珍しいな。俺の経歴なら社内報でもHPでも公表されていて、従業員なら知ってると思ってたよ」
「あ……ですよね。とくに女性社員はみんな知ってそうです」
「それについては否定しないけど」

くくっと笑い声をあげた侑斗につられ、梨乃も笑みを浮かべた。
< 14 / 273 >

この作品をシェア

pagetop