溺愛は蜜夜に始まる~御曹司と仮初め情欲婚~
「ちょうどコーヒーが入ったな。ゆっくり飲みながら説明するから、リビングで待ってろ。あ、話を聞いてからの反論と拒否権はないから、そのつもりで」
「また……」

反論や拒否権どころか、梨乃はただ侑斗に強引に振り回されてばかりだ。
今更説明されたとして、梨乃が納得するしないにかかわらず、きっと侑斗の思うがまま進められるのだろうと、梨乃はすでに諦めの心境だ。

「じゃあ、侑斗さんもあの写真を見たんですか?」

飲んでいたコーヒーをローテーブルに置き、梨乃はラグに座っていた体を正した。

「そうだ、多分梨乃が見た写真と同じものだと思うけど」

ソファに腰かけている侑斗は、梨乃にスマホを差し出した。

「あ、これです。私が千紗……いえ、同期から見せられた写真です」

侑斗のスマホには、この間、千紗に見せられたものと同じ写真が表示されている。

「ホテルの従業員たちに拡散された写真はほかにもあるんだ」

侑斗はスマホの画面に次々と写真を呼び出した。そのほとんどは地下駐車場で撮られた写真だが、何故か翔矢の面談の後カフェで向かい合っている写真まであった。

「え、これってどうして」

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