溺愛は蜜夜に始まる~御曹司と仮初め情欲婚~
おまけに、〝侑斗さん〟と馴れ馴れしく呼んでしまったと気づき、両手で口元を押さえた。
さすがに社長の諒太は白石社長と呼ばれているが、創業家である白石家の人間が複数ホテルで勤務しているので諒太以外の従業員は大抵、白石という名字ではなく名前で呼ばれている。
彼も、白石課長ではなく侑斗さんと呼ばれることが多い。
「すみません、慌てていてちゃんと前を見ていなくて……。それに、侑斗さんなんて、あの、私は営業企画部の折原です。本当に、すみません」
「いや、俺もうまくよけてやれなくて悪かった。それに、従業員が白石家の人間を名字以外で呼んでるのは知ってるから。侑斗でかまわない」
頭を何度も下げる梨乃の肩をひとつ叩き、梨乃の背後を指さした。
「それよりも、あれ」
「あれ……って、あっスマホが」
少し離れた場所に梨乃のスマホが転がっていた。ぶつかった弾みで梨乃の手からこぼれ落ちたようだ。
「うわ、どうしよう」
梨乃は急いでスマホを手に取り故障していないか確認しようとしたが、画面を見た瞬間肩を落とした。
スマホの画面は真っ黒で蜘蛛の巣状のヒビが入っている。
さすがに社長の諒太は白石社長と呼ばれているが、創業家である白石家の人間が複数ホテルで勤務しているので諒太以外の従業員は大抵、白石という名字ではなく名前で呼ばれている。
彼も、白石課長ではなく侑斗さんと呼ばれることが多い。
「すみません、慌てていてちゃんと前を見ていなくて……。それに、侑斗さんなんて、あの、私は営業企画部の折原です。本当に、すみません」
「いや、俺もうまくよけてやれなくて悪かった。それに、従業員が白石家の人間を名字以外で呼んでるのは知ってるから。侑斗でかまわない」
頭を何度も下げる梨乃の肩をひとつ叩き、梨乃の背後を指さした。
「それよりも、あれ」
「あれ……って、あっスマホが」
少し離れた場所に梨乃のスマホが転がっていた。ぶつかった弾みで梨乃の手からこぼれ落ちたようだ。
「うわ、どうしよう」
梨乃は急いでスマホを手に取り故障していないか確認しようとしたが、画面を見た瞬間肩を落とした。
スマホの画面は真っ黒で蜘蛛の巣状のヒビが入っている。