ONLY YOU~過ちの授かり婚~
「彼女が俺の身内なら…話は別だけど」

「それってどう言うコトだ?純也」

遠回しに頭取は私にプロポーズしてるようなニュアンスに聞こえた。

「俺と蓮見さんが結婚すればの話だ」

「えっ?」

「はぁ?今、なんて言った?」


壬生さんも自分の訊き間違いかと思い、訊き返す。

私も自分の耳を疑った。

「二人して何だよ…俺と彼女が結婚したら、そんなにおかしいか?」
どうすれば、稟議と結婚が結びつくのか分からなかった。


「しかし、お前には副頭取が決めた婚約者が居るだろ?」

「あれが副頭取が勝手に決めた相手だ。
俺は結婚しない」

「だが…今の伊集院家を仕切ってるのは副頭取だろ?」

「・・・俺は副頭取の配下に入る気はない…」

私には知り得ない伊集院家にはお家事情があるようだ。



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