ONLY YOU～過ちの授かり婚～

もう一度、ワイングラスを重ね、祝杯を上げた。
心の中で色んな思いが反芻しながらも、嬉しさがこみ上がる。

彼に惹かれているココロはとても素直。

頭取は何食わぬ顔でワインを飲み干していた。
やはり、彼の感情は表情では汲み取れない。

「まずは蓮見さんの連絡先が知りたい…」

頭取は上着の隠しポケットから黒のiPhoneを取り出した。私もバックらスマートフォンを取り出して、互いの連絡先を交換した。
今宵から、愛人契約？が始まったワケだ。

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「ご馳走様でした」

私達は林立するビル群の合間にある夜の公園をほろ酔いで散歩した。

四月に入り、公園の桜並木の蕾も少しずつ開花し、春の訪れを目で感じる。

桜並木はライトアップされ、花を咲かせたばかりの桜に人が集まっていた。