意味がわかると怖い話/逆さのサカ子さん
真冬だというのに汗のにじむ額を拭って、そっと一息をつく。


もちろん隣にはサカ子さん。


「私、死ンデルノ?」


「確実にそんなことないよ」


なんて。今では返答もお手の物だ。


エレベーターにたどり着くまで、散々な目に遭った。


サカ子さんの前では全てが反対になる。わかっていても、恐怖で縛られた体はそう簡単には動いてくれない。


とにかくサカ子さんから離れたい。切実なたった1つの願いさえ、叶えるのにはかなりの勇気を要する。


……なぜならサカ子さんから離れるには、サカ子さんに”思いっきり近づく”必要があるからだ。
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