貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「晴明ではないと、試しに言ってみるかい?」

 天明が、面白がる口調で紅華を煽る。

「ものすごく言ってみたい気持ちはありますが、それがとてもまずいことくらい私にもわかります」

「バレてもいいのに」

「そういうわけにはいきません」

「どうして?」

「そんなことしたら天明様、ただではすみませんよ? 晴明陛下のふりをしているなら、言動には十分気をつけてくださいませ。そうでないと、いくら私が黙っていても、いつか誰かが気づくかもしれないじゃないですか」

「俺を、守ってくれるのか」

 言い方はアレだが、言われてみればそういうことだろう。


「そうですね。大変不本意ですが」

 渋い顔つきになった紅華に、天明はくつくつと笑った。

「本当に、紅華はかわいいな」

「はあ?」

 おもいがけない言葉に、紅華はつい声をあげた。
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