貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「皇帝陛下は本当にお優しくていらっしゃる」

「蔡貴妃様は、お幸せですね」

 にこにことまわりの侍女が言うのを、紅華はあいまいな笑顔で受け止めた。

(でも、天明様だということを知らなければ、確かに晴明陛下はこういう方だわ)

 天明の観察眼に、紅華は感心しながらお茶を飲んだ。



 お茶を飲んだ後、二人はぐるりと庭を回って戻ることにした。

「あら。あちらは……通れないのですか?」

 庭の端まで来ると、生け垣の途中に竹でできた扉があることに紅華は気づいた。半分以上葉で覆われているが、頻繁に開けられているのか、地面には扉の跡が残っている。

 手を掛けようとした紅華の手を、天明が握った。

「紅華、そっちは通れない」

「でも、こちらを通れば私の部屋の近くに出るのでは?」

「いや」

 紅華の言葉に、天明は眉をひそめて言いよどむ。
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