貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「紅華様、図書室の使用許可がおりましたわ。ご都合のよろしい時に、いつでもいらしてくださいという事です」

 睡蓮が言ったのは、あれから二日が過ぎた午後だった。


「ずいぶん時間がかかったのね。手続きって難しいの?」

 紅華が聞くと、睡蓮は少し困ったように笑った。

「いえ、妃様ご本人がいらっしゃるという事がめずらしいらしく……図書室の方でもどうしたらいいのか迷っていたみたいです」

「あら、それは迷惑をかけてしまったわね。でも、後宮の妃様って、本、読まないの?」

「普通は女官などにまかせて、ご本人が行くことはありません」

「あ」

 くすくすと笑いながら睡蓮に言われて、紅華は、失敗してしまったかと頬を染める。

「ということは、私もそうした方がいいのかしら」

「どちらでもよろしいですよ。でも、他の方がなさるからと言って、紅華様までその真似をすることはございません。どうか、お心のままにお過ごしください」
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