貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
 後宮は、いわゆる内朝と言われる宮城の奥に位置する。対して外朝は基本的には官吏が仕事をこなす場所だ。先日の魂上げの儀で紅華も訪れたが、その時はあまりゆっくり周りを見る時間がなかった。だが、その庭のつくりや壁の装飾など、紅華が気になるところはたくさんあった。

「あまりお邪魔にならないようでしたら大丈夫ですよ。では、まいりましょうか」

 紅華は支度を整えると、睡蓮と部屋を出た。


  ☆


 陽可国は、大陸一帯を治める広大な国だ。皇帝の権力は強く、もう五百年以上も内外問わず戦が起こっていない。

 それを示すように、外朝の建物は繊細で豪奢なつくりをしており、そこここに名のある芸術家の絵や焼き物などが品よく飾ってある。そのどれもが足をとめてつい見入ってしまうほど素晴らしいものだった。

 紅華は、のんびりとそれらを見て回っていく。通り過ぎる官吏たちは、すれ違うたびに会釈をして通って行った。
 

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