貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「……ありがとう」

 紅華の意図を察して、晴明はおとなしく紅華に寄り添った。


「毒、ですね」

 耳元で囁くと、晴明は、ああ、と小さく頷いた。

「本当にお医者様をお呼びにならなくてよろしいのですか?」

「医者は……典医はだめだ」

「え?」

「いや、なんでもない。すぐ気づいたから少量しか摂取してないし、この毒なら私には耐性がある」

「なんの毒か、わかるのですか?」

 驚いたような紅華に、晴明は笑んだ。

「だいたいはね。これくらいなら、命にさわるほどのものじゃない。痺れてはいるけど、少し休めば、すぐ楽になるはずだよ」

 動きもぎこちないが、言葉遣いも途切れがちだ。
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