貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
 娘が貴妃になったことは一族にとっても誇らしいことだが、その妹も陛下の子を宿し貴妃が激怒しているとなれば、扱いは微妙にならざるを得なかった。

「そうして俺が生まれ、しばらくして無事に妹の方も子を産み落とした。それが、晴明だ。陛下は、妹を皇后にすると言い出した」


 それを知った貴妃は、激しく荒れた。自分こそが皇后に相応しいという矜持を傷つけられて、妹もその妹が産んだ子も憎んだ。その怒りは、身近にいる天明にもぶつけられた。

「え……」

 天明は、ぼんやりと窓の外を見たまま続けた。


「そのあたりは、詳しくは教えてはもらっていない。ただ、あまりのひどい仕打ちに、俺は母から引き離されたそうだ。まだ一歳にもならない頃の話だから、俺はさっぱり覚えていないけどな。よく生きてたな、という状態だったらしい」

「お母様は……」
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