貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「俺はいいんだ。晴明を守って、あいつがこの先もずっと生き続けていくこと。それが、何も持たない俺のたった一つの存在価値なんだから」
先ほどよりも格段に優しくなった声音で、天明は語りかける。
「何もないなんて……!」
言いかけるが、紅華は反論する言葉をみつけられない。それは、悲しいくらいに真実だ。わかっていても認めたくないもどかしさが、涙となってさらにあふれる。
(この人は……なんて、寂しくて、優しい人)
本来なら存在しない自分。その自分を大切にしてくれた皇后と晴明だけが、今の天明にとってのすべてなのだ。それを考えれば、どれほど二人が天明を愛して育ててきたかを推し量れる。
そして天明は、自分を差し出す以外に、二人にその想いを返すすべを知らないのだ。
先ほどよりも格段に優しくなった声音で、天明は語りかける。
「何もないなんて……!」
言いかけるが、紅華は反論する言葉をみつけられない。それは、悲しいくらいに真実だ。わかっていても認めたくないもどかしさが、涙となってさらにあふれる。
(この人は……なんて、寂しくて、優しい人)
本来なら存在しない自分。その自分を大切にしてくれた皇后と晴明だけが、今の天明にとってのすべてなのだ。それを考えれば、どれほど二人が天明を愛して育ててきたかを推し量れる。
そして天明は、自分を差し出す以外に、二人にその想いを返すすべを知らないのだ。