貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「もしかしたら、玉の輿に浮かれているかもしれないぜ?」

「不安でたまらずに泣いているかもしれない」

「心細いのはお互い様だな、晴明?」

「……私は」

「どんと構えていろよ。なんてったってお前は、陽可国新皇帝なんだからな」

 天明の言葉に、大きなため息をついて晴明は、窓の枠に体を預けた。


「皇帝か。皇太子とは立場が違う。妃はいらない、はもう通じない、な」

「二十四歳で妃が一人もいないなんて、ってずっとぶちぶち言われてたもんな、お前」

「さすがにこうなったら、宰相の条件を飲むしかないだろう」

 それを聞いて、天明が低い声で言った。

「お前、本当にそれでいいのか?」
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