貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
無言で晴明が天明に目を向ける。心のうちを見透かすような天明の視線に、晴明の表情が歪んだ。容赦なく、天明が続ける。
「お前がそんなあやふやな態度しか取れないなら、俺がもらうぞ」
晴明が口を開こうとした時、部屋の外から晴明を呼ぶ声が聞こえた。結局、晴明は何を言う事もなく視線をそらす。そんな様子に、天明は肩をすくめて明るく言った。
「さて、ご対面といこうか?」
「そうだね」
☆
皇帝崩御、と聞いて、てっきり帰宅するように言われると思った紅華だが、なぜか官吏はそのまま宮城へと彼女を連れてきた。
何の説明も受けずに通されたのは、小さな部屋だった。
執務室らしいその部屋の机に座っているのは、陽可国の宰相、朱翰林。紅華は、手を組み合わせて頭を下げると礼をとった。
「お前がそんなあやふやな態度しか取れないなら、俺がもらうぞ」
晴明が口を開こうとした時、部屋の外から晴明を呼ぶ声が聞こえた。結局、晴明は何を言う事もなく視線をそらす。そんな様子に、天明は肩をすくめて明るく言った。
「さて、ご対面といこうか?」
「そうだね」
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皇帝崩御、と聞いて、てっきり帰宅するように言われると思った紅華だが、なぜか官吏はそのまま宮城へと彼女を連れてきた。
何の説明も受けずに通されたのは、小さな部屋だった。
執務室らしいその部屋の机に座っているのは、陽可国の宰相、朱翰林。紅華は、手を組み合わせて頭を下げると礼をとった。