貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「陛下には、高貴なご身分にふさわしいお妃さまとなられる方があまたにおられます。ですから」
「僕の気持ちは、迷惑?」
睡蓮の言葉を最後まで聞かず、晴明が聞いた。睡蓮は、何も答えずにただただ嗚咽をもらす。その体を、晴明は強く抱きしめた。
「お願いだ。僕のことをあきらめないで。もう少しだけ、待っていてほしい。必ず、君を僕の妃にしてみせる」
「いいえ……いいえ。もう、私のことは、忘れてください」
「睡蓮」
「もう、いいのです」
睡蓮は、ぐ、と晴明の胸を押して体を離す。
「紅華様は、とても素敵なお方です。きっと、陛下の皇后を立派につとめてくださいますでしょう。これで、私も安心できます」
「睡蓮」
晴明は、睡蓮の手を握って離さない。
「愛している」
「私は……」
「愛して、いる」
うつむいたままの睡蓮の細いおとがいに指をかけると、晴明はその顔を上向けた。
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