貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
 自分の命を軽んじる天明を、だったら自分が守りたいと強く思った。誰かの事をそんな風に思うのは、初めての事だった。

(これって……同情なのかしら)



「紅華様がそんな風に感じることはありませんよ」

 穏やかに睡蓮が微笑む。

「天明様は一見陽気に見えますけど、とても深く物事を考えている方です」

「見かけからはとてもそうは思えなかったけどね。……とても、芯の強い方、なのだと思うわ」

「だから、紅華様が気に病む必要などないのです。天明様が見て欲しがっているその通りに、紅華様は天明様を見ておられました。それは紅華様の落ち度ではなく、天明様がそうさせたからですもの。それで、良いのだと思います」

「そう……かしら」

「はい」

 満足げにうなずく睡蓮に、紅華は苦笑する。
< 157 / 237 >

この作品をシェア

pagetop