貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「急いで藍晶宮を調べろ。この状況で張明がいなくなったとなれば、行く先は藍晶宮に違いない」

「陛下!」

 広間を出ようとした晴明のもとに、その藍晶宮を見張っていた衛兵がまろびながらやってきた。


「どうした」

「藍晶宮に、その、戸部尚書と、皇太后様が……」

「なに?!」

 その場にいた者たちに緊張が走る。宰相が悲鳴のような声をあげた。

「なぜ、その場で止めなかった!」

「お止めしようとしたのですが、尚書が皇太后さまに短刀を突き付けておられたので、手が出せず……」

「だからと言って……!」

「よせ、翰林」

 衛兵をどなりつけた宰相を、晴明がとめる。


「それで、尚書は何か言っていたか?」

「はい。晴明陛下に、お一人で藍晶宮へ来い、との伝言です」

「なるほど。こんなに熱く誘われたのは初めてだ」

「何をのんきなことを。行ってはなりませぬぞ! 皇太后さまももちろん心配ですが、もしも陛下の御身に何かあったら……!」

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