貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
 振り返って言いかけた宰相は、思わず言葉を止めた。表情だけは笑顔だが、晴明の目は冷たく底光りをしている。それを見た宰相は、自分の全身の産毛が逆立つのを感じた。

(龍可陛下……!)

 晴明からあふれる威圧感はまさに、亡き皇帝陛下、龍可そのものだった。そんな清明は初めてだ。

「心配するな。この私が、そんなことは許さない。左林軍はそのままここの者たちを牢へ。右林軍は一緒に来い!」

 晴明は声をあげて、後宮へと向かった。


  ☆


「来たようですな」

 藍晶宮のまわりに人の気配が集まるのを感じて、張明は立ち上がる。そして、椅子に座ったままの皇太后を見下ろした。

「さて、陛下はお一人でこられますかな」

「あの子は、大義を間違える子ではありません」

「そうでしょうか」

 うっすらと笑みを浮かべた張明を、皇太后は静かに見つめる。


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