貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「あの子は、上に立つ者としての教育を受けて成長いたしました。晴明様のような甘いお方に、国を統べることなどできません。慶朴が冠礼の儀をすませた今、皇帝となる資格は十分ですわ。そしてあの子が皇帝となったあかつきには、我が李家が全面的に慶朴をお守りいたしましょう」

 皇太后は、反論するでもなく目を閉じた。藍晶宮のまわりに集まる気配は、さらに多くなっていく。

 三人の耳に、扉を叩く音が聞こえた。

「皇太后様を迎えに来た」

 その声を聞いて、皇太后はわずかに目をみはる。張明はにやりと笑んで皇太后を見下ろすと、自ら動いてうやうやしく扉をあける。


「お待ちしておりました。陛下」

 晴明は、張明をにらんだまま目を離さない。

「母上を返してもらおう」

「人聞きの悪い。私どもは楊皇太后をお茶にお招きしただけでございます」

「では、連れて帰っても問題ないな」

 張明は、うっすら浮かべた笑顔を崩さない。

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