貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「それは、陛下次第でございます」

「私にどうしろというのだ?」

「こちらへ」

 誘われて、晴明は一人で藍晶宮に入った。周りからの視線を受けながら、張明は堂々と扉を閉める。


「さあ、陛下にもお茶を」

 張明は、中央の卓へと晴明を案内した。そこには、賓客を迎えるための高価な茶器一式が揃えられている。

「だめよ、晴明」

「陛下と、そしてご一緒に皇太后様にも差し上げましょう」

 言いながら、張明は手ずから白い茶器に透明の液体を注いでいく。晴明は、全くの無表情でそれを見ていた。

「藍晶宮の周りは、兵が囲んでいる。私になにかあれば、お前たちもただではすまないぞ」

「私が夜までとある場所に行かなければ、陛下の大切な小鳥も羽を散らしましょう」

 ぴくり、と晴明が眉をあげた。

「やはり、お前だったのか。私だけが狙いだろう。紅華殿は関係ない」

「美しい小鳥が大事なら、私を無事にここから帰すことですな」

「では、母上は開放しろ」

「秘密を知るものが多ければ、それはもう秘密ではありません」

「わたくしは、何も見ておりません」

 口を挟んだのは、恵麗だ。その言葉の通り、横を向いてこちらを視界入れようとはしない。

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