貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「大丈夫ですか、母上」

 二つの遺体から目を背けていた皇太后の前に、晴明が立った。皇太后の視界を奪う位置で。

「ええ。陛下こそ、毒は本当に大丈夫なのですか?」

「はい。先ほども言いましたように、氾先生に解毒剤をいただいて飲んでまいりました」

「氾先生?」

 皇太后が首をかしげる。

「お前に歴史学を教えていた、あの氾先生ですか?」

「そうです。氾先生は少しばかり医術の心得があるのだそうです。薬草にも詳しく、こっそりとご自分でも薬草を育てておられるのですよ。典医の周先生が張明の仲間だと気づいてからは、体調の悪い時は氾先生にお願いするようにしておりました」

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