貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「それならよいのですけれど……でも、お一人でここへ来るなど、危険だとはおもわなかったのですか?」

 まだ青ざめている顔で、皇太后は晴明を睨みつけた。晴明は涼しい顔で微笑み返す。


「おや? 私が負けるとでも?」

「でも、万が一……」

「万が一も億が一もありません。私がたかだか張明などに負けるわけないではありませんか。仮に藍晶宮の中に二、三人の伏兵がいたとしても、すべて切り捨てる自信はありました。それに、うかつに羽林軍を連れてきて、私の本性を知られるのはまだ避けたかったので」

 その性格をよく知っている皇太后は、ため息をついた。


「そうだとしても、どうかもう二度とこのような危ない真似はしないと約束してください。見ているだけで寿命が縮みました」

「はい。わかりました」

 穏やかに笑んだ顔には、先ほどの冷徹さは一切残っていない。皇太后は、ようやく微かに笑んだ。
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