貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「それはそうと、あなたが来るとは意外でした。てっきり、天明が来るものだと……よくあの子が黙ってあなたをこちらへよこしましたね」

 母親である皇太后も、当然二人の区別は完璧についている。ただ、それができなかった龍可の手前、遠慮して区別がつかないふりをしていただけだ。

「天明は優しすぎます。私のように、彼らを始末することはできません。それに」

 晴明は、思わせぶりに言葉を切る。

「あれも、自分の大切な小鳥を取り返しに行っております」

 それを聞いて目を丸くした皇太后は、ふ、と嬉しそうに笑った。


「そう。あの子にも、あなたより大切なものができたのね」

「いずれ母上にも紹介いたしましょう。とても可愛らしい小鳥です」

「楽しみにしております」

 そして晴明は、藍晶宮の扉をあけて、待っている宰相たちのところへと戻った。


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