貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
 にやにやしながら欄悠が顔を近づけてくる。紅華は、ぎゅ、と唇を引き結んで思い切りのけぞった。

 ごっ!!

「痛てえ!!」

 口づけようと近づいた欄悠に、紅華は反動をつけて頭突きをくらわした。欄悠がひるんだすきに紅華は掴まれた手を振り回して、二人は長椅子から転げ落ちる。紅華は、素早く立ち上がった。

「力づくで女をものにしようなんて最低! あんたのことなんて何とも思ってないって言ったけど訂正するわ。あんたなんか大っ嫌い!!」

 威勢よく言ってのけるが、額をぶつけた紅華も少し涙目になっている。


「ああ? せっかく俺が優しくしてやったのに……!」

 額を押さえながら、欄悠がふらふらと立ち上がった。慌てて紅華は、部屋を出ようと扉に走る。

「どこが優しいのよ! 変態!」

 扉を開けようとした瞬間、追いかけてきた欄悠が紅華の袖をつかんだ。
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