貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「誰が……あんたなんか……」

 苦しい息の中から言うが、かといって体重をかけられている今の状況では見動きすらできない。


(誰か……助けて…………天明様!)

 こんこん。

 その時、扉を叩くものがあった。紅華の喉もとを押さえたまま、欄悠はいぶかしげに顔をあげる。

「誰だ?」

「欄悠様、至急のご使者がお見えになっております」

 急な知らせに走ってきたのか、男の声は少し息が上がっていた。欄悠がそちらに気をそらしたすきに、紅華は欄悠の手をはねのけようとする。が、欄悠は、さらに強く紅華の首を床へと押し付けた。

『……っ……』

「使者? ああ、向こうはうまくいったんだな。待たせておけ。今は手が離せない」
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